写真データ保存基金の会について

「写真データ保存基金の会」は、芸術的な観点から貴重な写真を包括的に保護する活動を行う日本では稀でかつ非常に画期的な団体です。

当社は、「写真データ保存基金の会」の趣旨とその活動内容に賛同いたしております。そこで、お客様がマニピクチャーをご購入いたしますとお買い上げいただいた商品の本体価格 (税抜き価格) の 3% 相当の額を当社の負担により「写真データ保存基金の会」に寄付することをここに誓約いたします。この寄付に関して、お客様の金銭的負担は一切ございませんお客様には、マニピクチャーをご購入いただくだけで「写真データ保存基金の会」が行う日本における写真の包括的な保護活動を支援することが可能となります。

以下に、「写真データ保存基金の会」の設立趣旨書を掲載いたします。

「写真データ保存基金の会」設立趣旨書 (設立:2007年3月15日)

この会「写真データ保存基金の会」は市民グループとして設立されました。当会は日本において国もしくはそれに準ずる機関が写真をデジタルデータアーカイブとして収集、保管をしていない現状を知り、その方向性を示唆し働きかけることを目的とします。運営基金は寄付によってまかなわれます。

1. 主な設立目的

  • 優れた写真の「フィルムのデジタルデータ」と「オリジナルプリントまたは、それに準ずる写真」の「プリントアウトデータ」の収蔵、さらに出力プリンターの変更に対応した「データの更新」と、その作業に当たる「人材育成」を国もしくはそれに準ずる機関に働きかける。
  • 日本国内において「写真文化」の理解を広めるため、ホームページを含めた様々な広報活動を通じて「写真フィルムのデータ保存」の重要性の認識を促す。
  • 国もしくはそれに準ずる機関による「写真フィルムのデジタルアーカイブ事業」が実施されるまでの間、微力ながらこの事業を代替して行く。データ収蔵機関設立時点で、本会が保管するデータの移管を行う。

2.日本の写真にまつわる海外と日本の現状

欧米の多くでは、写真は文化・芸術作品として高く評価されています。フランスでは文化省写真遺産部門のような国立機関が存在し、日本の写真についても、2003年にフランス文化省を中心に「昭和20〜50年代の日本 - 蘇る写真」(注釈) が開催されました。また同年、アメリカ、ヒューストン美術館では「日本写真史」(注釈) が開催され注目を集めたようです。しかし、日本では2007年3月現在、国に準ずる機関で写真を文化・芸術作品としてとらえる機運はまだ乏しいと感じています。

日本でも京都国立近代美術館の写真の収蔵を始め、各都道府県や地方の小規模な美術館が写真の収集、収蔵を行っていますが、その多くは印画紙のオリジナルプリント作品です。それらは褪色、耐候性が問題になるため一般市民が気軽に見ることができない現状です。また、オリジナルフィルムは写真家の手元に保管されている場合がほとんどで、その良好な永続的保管は極めて困難です。このような現状に対して、2006年に「日本写真保存センター設立推進連盟」(注釈) が「日本写真保存センター」(注釈) 設立を文化庁に働きかけ、大きな前進を見せていますが、主な収蔵対象は写真原板(フィルム、乾板など)と、原板の複製のためのデジタル化と、Webで公開し一般の利用を促進することを目的としているようです。もちろん、これはきわめて重要な動きですが、実現には多額の資金と多くの時間がかかるでしょう。それに対し、当会の目指す内容の実現は低予算で始めることができます。また、将来は「日本写真保存センター」に何らかの協力が可能になるかもしれません。

3. 本会の思い:「写真の力を感じ、自己と社会を見つめること」への保存事業

私たち発起人の願いは、子どもから大人までの様々な世代が、写真の展覧会場に実際に足を運び、本物の作品の「力」を直に感じ取り、さらに写真集とじっくりと向かい合い、写真家の世界観や思想を探ることにより、我々の生き方、社会との関わりを考えるきっかけにしてもらうことです。そして、「写真文化」が広く浸透し、写真のデジタルデータだけでなくその出力を含めた写真の保存事業が国やそれに準ずる機関によって行われることが我々の最終的な願いです。そのためには「オリジナルプリントまたは、それに準ずる写真」の高品質のプリントでなければ、写真の持つ迫力は見る者に伝わらないことを強調します。

4. フィルムのデジタルデータ化による保存の必要性と短所と長所、そして特殊性

過去から現在まで、日本では極めて優れた写真家が数多く輩出し、その膨大な仕事の多くは劣化を免れないフィルムとして存在しています。また、デジタルカメラが発展している現在も、フィルム撮影をしている写真家は多いのが現状です。これらのフィルムとオリジナルプリント保存が困難な問題の解決方法として、原理的には「フィルムのデジタルデータ化による保存」が適切な方法であると考えられます。また、コンピューターにより、かつて実現できなかった細かな修正を施すことが可能になり、さらにコンピューター使用による「新しい表現」の可能性も開かれました。そして、写真家が希望する高品質でしかも褪色、耐候性に優れたプリントの出力可能なデータの作成、保存ができるようになりました。これには顔料インクプリンターの発達により、今まで難しかったカラープリントの長期保存が可能になった背景は大きいと言えます。ただし、様々なプリンターで出力して、様々な色になってしまえば、オリジナル作品とはほど遠い物を見ることになり、この危険性は短所となります。

しかし、この短所をきちんと理解し、プリントする技術を身に付けた人材が対応すれば「出力プリンター」を替えても高品質のプリントを行うことは可能です。そしてオリジナルプリントに極めて近いプリントアウトが再び可能になります。そして、より多くの人が「迫力ある写真」に触れる機会が増え、写真の内容を様々な視点から評価し、写真を保存し「写真文化」の発展にも一役を担えると考えられます。これが他の美術品と写真の異なる大きな特徴であり、長所となります。

一方で、デジタル化はややもすると万能な方法にとらえられがちですが、不適切なデジタル化を行えば、本来アナログデータが持っていた重要な情報の一部を失ったり、保管方法を誤れば簡単に消失してしまう危険性があり、長所も一気に短所に転じてしまいます。しかし、適切な方法によるデジタル化を行い、適切な保管をすれば、「可能な限り正確に」作品を後世に伝えることが可能になります。このようなことから、フィルムをデジタルデータ化することは、現状で我々が取れる最善の方法であると考えられます。

5. 職人技で成り立つデータ作りと、保存と利用の指針

フィルムから写真家の希望する色を実現するには、まずデジタルスキャニングが必要です。これは機械の特性と、技術者の経験と勘に頼り、さらに時間のかかる「色補正」は職人的な人手に頼らざるを得ません。簡単に「デジタル化」と言っても、すべてを機械により自動化することは現時点ではできず、これら複数の工程作業が必要です。当会が出力プリンターの変更に対応する「データの更新作業」に当たる「人材育成」を国に働きかける理由がここにあります。

本会では、色補正を行う前のデジタルデータとすでに色補正処理を行ったデジタルデータの両方の保管を行います。色補正作業へは直接的な関与は行いません。従って、著作権の所在は、写真を撮影した写真家(もしくはその遺族)が1次著作権を保持し、その写真家の合意の上で色補正作業を行ったものが2次著作権を保有することになり、当会はこれらの作品に対して著作権を保有しません。このため、当会の最終目標である保存機関が設立され、データ移管の際には、当該機関とすべての著作権所有者との間で、改めてその利用に関して契約を結ぶ必要があります。

6. 寄付でまかなう基金

本会は有志の無償の活動によって行う利益を目的としない団体であり、寄付のみによって運営を行います。既に、色補正の分野では(有)朝吹デザインとの協力関係を得ると共に、同社が写真家の「オリジナルプリントまたは、それに準ずる写真」を「マニピクチャー (商品名)」(http://www.manipicture.com/)として販売を行う際に、その売り上げの 3 % を本会に寄付することとなっています。また、広く一般の市民や組織に、1口500円の寄付をお願いし、基金とします。各方面に、これらの点のご理解とご協力をお願いします。

7. 「写真データ保存基金の会」発起人

代表 兼 技術統括責任 羽二生 篤(北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
副代表 兼 品質管理責任 中野 俊(産業技術総合研究所 地質調査総合センター)
会員 (技術指導) 松嶋 真(株式会社 イセデン代表、針穴写真研究家)
会員 (技術相談) 山末 英嗣(京都大学大学院エネルギー科学研究科)
会員 (色補正責任) 朝吹 美恵子(有限会社 朝吹デザイン 代表)

8. 連絡先

「写真データ保存基金の会」
〒202-0014 東京都西東京市富士町2-9-14ドーモ・タタ〜ラA
有限会社 朝吹デザイン内
電話: 042-466-0797
Web: http://www.manipicture.com/foundation/
E-mail: foundation@manipicture.com

<ゆうちょ銀行口座>
名義人: 写真データ保存基金の会
記号 10640 番号 35148741


マニピクチャーショップによる注釈

  • 「昭和20〜50年代の日本 - 蘇る写真」
    JAPON 1945-1975: Hotel of Sully, April 4 - June 15, 2003
  • 「日本写真史」
    The history of Japanese Photography: the Caroline Wiess Law Building, March 2 - April 27, 2003
  • 「日本写真保存センター設立推進連盟」、「日本写真保存センター」
    現時点では、社団法人 日本写真家協会 を中心として活動しています